今、集合住宅の監理をしているのですが、
こちらの建物はプレキャストコンクリート造(略称PC造)で
施工されています。
現場で型枠を作りコンクリートを流す在来工法と違い、
PC造は工場でつくられた鉄筋コンクリート版を現場で組み立てていくものです。
工場でつくられるので、品質が安定し、
木材でなく鉄による型枠で、廃材の排出量が少なく、環境にもよいとされています。
上の写真の基礎を含む1階コンクリート床の状態までは、
従来通り、現場での在来工法工事になります。
この間、工場にてPC版がつくられています。
工場でつくられたPC版を運搬し、おおきなクレーンで吊り上げ、
長い鉄筋のところに刺さっていきます。
版からも鉄筋が出ており、版と版の鉄筋を溶接します。
2階から上の床もPC版です。
壁版から上にも鉄筋が延びおり、そこに上階の壁版も刺さっていきます。
今回はフルPCと言われるものではなく、ハーフPCという工法で、
先ほどの壁と壁の間、PC床版の上にコンクリートを流し込み、
全体を固める工法になります。
接着剤のいるプラモデルみたいな感じです。
上の写真が壁の間にコンクリートを流し込んでいるところです。
そのまま、床にもコンクリートを流し込んでいきます。
(ここから雑談)
英国では集合住宅のことを「フラット」といいます。
先日、テレビで「ファーザー」という映画が流れているのを観ました。
その中で「羊たちの沈黙」で有名なアンソニー・ホプキンスが
「フラット」という言葉を繰り返していたので、調べて知りました。
最初、予備知識なしで、観ていたので「ミステリー?」と思っていたら、
認知症に陥っていく父親の話でした。
私には認知症の祖母がいるのですが、
「認知症に陥っていく本人の間隔でいえば、ミステリー状態なのかも」と、
感情移入してしまいました。
あと、映画の「きみに読む物語」を思い出しました。
どちらも率直に言えば、好みの映画ではなかったですが、
(好みとかで観る映画ではないのかも)
観ておいて良かったなと思える映画です。
(ここから うんちく)
集合住宅をフラットや、アパート・アパートメントと言いますが、
日本では「マンション」という言葉も使いますね。
ただ海外ではマンションは一般に「豪邸」を意味するので、
「うち、マンション住んでんねん」と言うと、
「コイツ、こんなしゃべり方で、豪邸に住んでるのか!!?大金持ち?!」
と、思われます。
目をバーン開いて、
「うち、マンション住んでんねん」と言えるのは、
アンミカさんレベルですので、ご注意ください。